妊娠するまでの仕組み

赤ちゃんができるまで

妊娠検査薬

卵子と精子

女性の体内では卵子の元となるいくつもの卵胞が排卵日に向けて育てられています。 そのうち1個だけが成熟して毎月1回の周期で排卵され、約24時間子宮にいます。 この間に精子との受精が行われなければ、次の月経で子宮内膜と共に排出されます。 排卵日は月経の始まる2週間程前ですが、人によって排卵の周期は前後しますし、月経周期に乱れがある人なども多く排卵日を特定するのは困難です。 精子は女性の体内に射精されてから3~5日の間、卵子へ向かって泳いで行きます。 中には一週間以上泳いでいる精子もいるといわれています。 排卵予定日よりかなり前に射精されているのに妊娠するケースがあるのは、このような元気な精子のためです。

受精と着床

精子は自らの力で動くことのできる特別な細胞ですが、最近では運動機能が低下している精子や形が不完全で上手く泳ぐことができない精子も増えています。 卵子に到達した精子達は透明帯を破るため、協力して少しずつ溶かし受精を試みます。 そして一番最初に透明体を破った精子の頭部が卵子の中に入った瞬間、他の精子は中へ入れなくなります。 こうして精子が卵子に受精することで受精卵が誕生しますが、まだこの段階では妊娠判定を行っても判定できません。 その後受精卵は卵管の中を分裂しながらゆっくり子宮へと移動して行き、成熟した受精卵は子宮内膜に着床します。 妊娠検査薬を使って陽性反応を調べる場合は受精卵が子宮内膜に着床してから、排卵予定日から14日以上経過してから行いましょう。

妊娠する割合

不妊治療を行っていない自然妊娠の場合、月経と月経の間に起こる1回の排卵で妊娠する確率は約20%といわれており、 一般不妊治療でタイミング指導を受けている場合でもほぼ同じ確率です。 排卵周期にあわせて性交渉の回数を増やせば妊娠する可能性も高くなると思われがちですが、短期間で射精回数が多くなると精子が薄くなってしまいますので、 3~5日に1回くらいのペースが一番良いようです。 一般不妊治療を行っている方は50万組程で、その中で妊娠できるのは10万組程です。高度生殖医療を受けた場合は、5万組中1万組程が妊娠出産しています。 同じ治療でも若い夫婦ほど妊娠しやすく、40代になると10%以下になるということも覚えておきましょう。